★ドリーム★

□唯一の人
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白衣の宰相を倒し
二つの世界の崩壊を防ぎ
……ゆきさんと別れてからしばらく


僕の生活は彼女に会う前と同じ
あわだたしい生活に戻った


……いや、全く同じというのは少し違う…


彼女と出会い、ふれあい…
少しずつ僕に欠けていた感情が生まれた


ただそれだけの違いで全く違う日々…


そして…

朱雀を使い過ぎた僕の体は
日を追うごとに弱っていった



(…まだ…僕は…新選組の一番組、組長として…)



弱った体に追い打ちをかけるように…
労咳という死病に罹っていた


土方さんの命令で療養することになり新選組を離れることになった


…ここはとても静かな所です


目まぐるしい日を過ごしてきた僕にとって
静かな日々はなかなか落ち着きませんでした


酷使し過ぎた身体は病魔に蝕まれて…


僕はただゆきさんのことを考える…


彼女は…平和で幸せに暮らしているのでしょうか?


その隣には…誰かいるのでしょうか…?


僕はその隣にいたい…
いたかった…


あの時…僕は…
ゆきさんを元の世界に返してあげたかった


だから僕は…“会いに行く”と言った


叶えられないかもしれない…


あなたを傷つけるかもしれない…
それでもあなたを返したかった…


身体がとても重い…
まるで自分の体ではないように…


「ゆきさん…」


僕がただ一人…想う人…
あなたに…届くように……
さいごの力を…ふりしぼって口をうごかす……



「…あい、してます…」



ぼくは目をとじる…
えいえんに…さめないねむりについた…


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