赤と緑

□マスター…
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ある日の朝
珍しく早起きした俺はなんとなくニガイトの方を見た
「スー…スー…」

静かに眠るニガイト
弟ってこんな感じなのか?
「…ア…カイト…」

俺に寄り添う様に眠るニガイトの寝言にドキッとしてしまった

「(なんなんだ)」

ニガイトが出てきてから何かおかしい…離れたくないっていうか…他の奴(主にマスター)と居ると機嫌が悪くなるっていうか…

「恋じゃねーよな…」

うん、違ういや違うはずだそうだきっとペット的な奴だ←もっと酷い

「う…ん…」

あっ起きた!

「よく寝たか」

「うん…おはよ…」

「おう」

ちなみにニガイトは俺の部屋でマスターは一階で寝ている

「痛た…」

「どうした?」

「首、寝違えたみたい…」
「(ずっとアカイトの方見てたからかな…)」

「大丈夫か?ちょっと待ってろシップ持ってくるから」

「まだマスター寝てるからうるさくすると…迷惑だからいいよ…」

「でも痛ーんだろ?」

「大丈夫…痛いのちょっとだけだから…」

「本当に大丈夫か?」

「うん…」

ちょっと心配だ…ちょっとだけな…

「ピンポーン

「誰か来た…」

「あぁ」

こんな時間に誰だ

「ピンポピンポピンポーン

「ガタッ…誰ですか〜」

明らかに寝起きで不機嫌なマスターの声が聞こえる

「おっはよう!」

この声は!ドタドタと階段を上がる音が

「おはよう元気か諸君!」
やっぱり…冬空 雪美、大人しそうな名前と裏腹に無茶苦茶騒がしく劇物を食わせてくる恐ろしい奴だ

「あっ!何か緑の子が増えてる!」

といきなり袋からタッパーを取り出し中の見たこともない様な食いもんをニガイトに渡す

「食べてみて!」

「えっ?…」

明らかに動揺してるニガイトでもはしでその物体を掴み口に運ぶ

「…美味しい……」

小さく呟くニガイト

「ちょマジで!」

と俺も一口

「……」

すみません何か喋ると吐きそう…無茶苦茶、苦い

「ちょっと…失礼します…」

思わず敬語そのまま洗面所に吐き出そうとしたら頬に冷たい感覚が…もう一人厄介がいた

「マスターがせっかく作ったんだ吐き出したら…」

アイスピックを常備してマスターばかな奴

「ちょ…帯人…無理…」

マジで吐きそう…でもアイスピックをちらつかせる危険人物が目の前に

「ゴク!」

俺は胃にバグが発生するのを覚悟で飲み込んだ
そこにタイミングよく

「どう美味しかった?」

「えっ…」

「キラッ」←アイスピック

「あっ!あぁ、旨かった…」

「もっと食べさせてあげたいけどごめんね緑の子が全部食べちゃった」

ニガイトナイス!

「緑の子?」

危険人物こと帯人がけげんそうな顔をする

「うん、小さくて可愛い子」

「マスター…」

帯人がなんか不機嫌そうだ多分、自分以外の奴を褒めたからだと思う

「マスターちょっと待ってて下さい」

とゆっくりと階段を登り始める帯人…俺は直感でニガイトが危ないと思った

「帯人どこ行くんだ!」

「その緑の子に挨拶するだけだ…」

うわぁ何か黒い

帯人の後ろについていざというときにニガイトを庇える姿勢にした

「ギイー」

「あっ…アカイ…ト?」

「俺はこっちだ」

「誰…この人?」

「帯人っていう危険人物だ」

「キラッ」←再びアイスピック
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