くろこのバスケちょうへん

□第2Q「兄妹ですけど」
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時は戻り、男バスは…




男バスの方も仮入部期間だが、スポーツ推薦で入った緑間には関係の無いこと。

先輩たちに混ざって黙々とシュート練をしている。


ちなみに、今日は顧問が出張のためシュート練中心のメニューだ。



そんな緑間に引っ付いているは、高尾和成という男。

どうやら緑間と同じクラスならしい。



「やっぱ強豪校は違うねー、真ちゃん」

「その呼び方をやめろと言っているだろう」

「つーかさ、秀徳(ここ)って女バスも強いんしょ??」

「……シカトか。」


緑間の言葉などお構いなく話し続ける高尾。

そんな2人の傍にやってくるは先輩たち。



「お前等真面目にやれよ、マジ轢くぞ」

「……宮地、いきなりそれはないだろ」

「すまんな。こいつはそんな奴なんだ」


話しかけてきたのは、秀徳高校男子バスケ部主将である大坪泰介、

そして見事レギュラー入りを果たした3年の宮地清志と木村信介だ。







「ちぃーすっ」

「…………どうも」



軽く挨拶する2人。

その態度に宮地はまた怒りを露にする。

そして言葉を発しようと息を吸ったとき、



「…高尾、何をしているのだよ」

「え??何って、手ぇ振ってんだよ」




高尾がそう言い、4人の目線は高尾が手を振っている相手へと向かう。

そこには1人の女の子が立っていた。



どうやらその子は入学式のとき、新入生代表挨拶をした子のようだ。

黙って5人を見つめている。


そして、5人が見ているのに気がついたのか、可愛らしい笑顔で手を振ってきた。





「お前の知り合いか??」

「まあ、そんなもんっスかね」


高尾が嬉しそうに微笑むと、女の子はさらに笑顔になって女バスの部室へと去っていった。

それが合図になったのか、先輩たちはシュート練へと戻っていく。




「確かアイツは、4組の…」

「あ、真ちゃんも知ってるカンジ??」

「当たり前だろう。それに、中学の時に何度か見かけたのだよ」

「ふーん…でも、真ちゃんだろうと絶対渡さねぇから」




高尾の一言に、思わず緑間は目を見開く。




「……高尾、お前、アイツのこと…」


「あぁ、好きだぜ」






























兄妹ですけど、ね。



それでもまだこのことは――――――秘密のままで。






*END*

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