くろこのバスケちょうへん

□第2Q「兄妹ですけど」
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なんだかんだで入学式から数日。

クラス発表し、クラス組織もつくり、だんだんグループが出来始めてきた時期だ。




それでも美羅は、一人でいた。


人から話しかけられることは、ある。

でもその会話は長く続かない。


気づけば話しかけてくれた人は違う場所にいて、

気づけば自分はまた一人になって。


気づけば違う人が話しかけてくれて、

気づけば自分はまた一人になっていた。




そんなことを繰り返し、だんだん声をかけてくれる人も少なくなり、

美羅は静かに窓の外を見つめた。



「ね、高尾さん、」



窓を見ていた視線を声の主へと移動させる。

そこに立っていたのは、オレンジ色の髪をした女の子。






「初めまして、だね」

『はい』

「私、橙山なず。よろしくね^^」

『高尾美羅です。よろしくお願いします』



なずの笑顔に美羅は魅力された。

素敵な笑顔だな…。



どうやら2人は意気投合したようだ。

今までとは大違いに会話が弾んでいく。


「私、帝光中出身なんだ!!」

『あの帝光中ですか!?』

「うん。って言っても帰宅部だけどねw」

『帝光中と言ったら、バスケの超強豪校ですよね』

「そーそー、全中優勝のときとかめっちゃ取材来てさ、関係ない私までインタビューされたよ」

『本当にすごいですね…!!!』

「美羅はどこ中出身なの??」

『陽南中です。ご存知ですか??』

「知ってるよ!!そこもバスケの超強豪校じゃん!!!」



時間が経つのも忘れて、楽しそうに会話する2人。

そして2人の話題は部活動へと変わっていく。



『そういえば、なずちゃんはどの部活に入るんですか??』

「んー…まだ決まってないんだよねー…。美羅は決まってる??」

『はい。その推薦で秀徳(ここ)に来ましたから』


「え!?推薦!!!?美羅すごーい!!!!」




なずの驚きの声が響く。

それと同時にチャイムが鳴った。



『部活の時間なので、行ってきますね』

「うん。美羅頑張ってね!!!」

『はいっ』




そう言って美羅は教室から出て行った。


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