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□君が居なくなった世界
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あの眩しい笑顔が好きだった。
明るい声が好きだった。
おばけなどを怖がるところが意外だった。
何事にも一生懸命で危なっかしいところが愛おしかった。
「かさね殿──・・・」
呼んでも返事をしない、少女の名を呼ぶ。
もしかしたら、返事が返ってくるかもしれない。
あの、屈託のない笑顔で自分の名前を呼んでくれるかもしれない。
あなたが居なくなってからどれほど経ったでしょう。
未だにあなたの居ない生活にはなれません。
あなたが居なくなってから、皆、元気がなくなったようにみえます。
犬千代も内蔵助、殿も。
犬千代は明るく振舞っていますが、やはり寂しそうです。
内蔵助と殿は最近特に不機嫌です。
かさね殿は気がついていましたか。
貴方の存在が大きくなっていたことを。
君が居なくなった世界
戻ってきて
なんて思いませんから、
幸せでいてください。
あとがきと言う名の言い訳→