‡薄桜鬼・文処‡

□過去拍手文
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   〜I like you〜
 
 
 
 


時々すごく不安になる。


左之さんは大人で凄く優しいし、容姿もいい。性格は男も惚れる位の男前振り。


それに引き換え……

特にこれって取り柄がある訳でもなく、左之さんにいつも呆れられる位ガキだし……

そんな俺が、左之さんの恋人でいいのかな…なんて、つい考え込んでしまう。




「……まーた何か余計な事、考えてんのか?」

学校から持ち帰った仕事を終え、ぼんやりとコタツに入ってる俺の頭を小突く。


「いっ…痛ってー!なにすんだよ!」

「…………」

「な…何だよ……」

俺の目をジッと見る左之さん。



「なーんも考えるこたぁねえからな?」

「は???」

「お前はそのまんまで充分だ。」

「…………っ」

左之さんの両の掌がそっと頬に添えられ…………














両の人差し指で俺の口を両側に思い切り引っ張りやがった………


「いだ…いだいよ、ひゃのひゃん……」

「笑え」

「わ…わだえっで……」

「俺に愛されてんのは平助…お前だけだ。だから…いつもそう自惚れてろ……」

「!!!」


口を引っ張る手を離し、優しく微笑むその顔が、また男前過ぎてムカつく。



「……何かムカつく」

「やっといつものお前になったな」

優しく微笑んだまま、そっと抱き締めてくる。


「お前がお前らしくあるだけで…それだけで嬉しいんだ」

だから……
いつもの調子で笑ってろ。






いつもいつもさり気なく欲しい言葉をくれる。




本当、左之さんは俺を嬉しがらせる天才だな。

左之さんの心地良い腕の中、そんな事を考えていた―――




(了)
 
 
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