‡薄桜鬼・文処‡
□惚れた弱味
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正月も2日を過ぎ、お節料理に飽きたから…
それと
“アイス!アイスが食べたい!”
と駄々をこねた奴がいるから…だから寒い中、コンビニに来たのに……
「寒っ…寒すぎるよぉ……」
泣き言を言うな。
アイスと騒いだのは誰だっつの…。
………俺は一歩も外に出ず、お前と部屋に居たかったってのに。
その為に買い占めた食料をほぼ食い尽くし、お節料理は飽きたと騒ぐ。
我が儘だと呆れるけど……
俺はお前に弱いっての解ってやってんだよな?
「左〜之さん♪」
人通りがほぼないのをいい事に、腕を組むお前。
「カイロ代わりになってよ」
おいおい…
俺は雑貨扱いかよ?
でも…つい顔がニヤける。
寒さで鼻を赤くしながら腕を絡めて微笑むお前に、俺はやはり弱いと思い知る。
「んじゃあ……ベッドでもカイロ代わりになってやるよ?」
せめてもの反撃を繰り出す。
「なっ…!?///左之さんのどスケベっ!」
真っ赤になりながら、俺を叩く予想通りの可愛い反応に嬉しくなる。
結局…………
俺は平助に何をされても許してしまう位、平助が好きなんだよな。
たとえ、持つと冷たいからと、アイスを全部持たされても…
たとえ、買い占めた食料を2日で食い尽くされても…
あまつさえ、カイロ代わりにされても…
好きで好きで仕方がない。
(了)