‡薄桜鬼・文処‡
□SWEET TIME
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「腹減ったぁ〜!3時のおやつ何かない?」
「何かって…さっき昼飯食ったよな?」
「昼飯って…それ何時間前の話?」
「ついさっきだろーが…ったく…。とりあえずこれ食え」
近くにあった焼き菓子を渡す。
それを嬉々として受け取る平助。
「小せぇナリしてるクセに良く食うなぁ…。どこにそんだけ入るんだか…」
「んぁ?育ち盛りって言えよ」
菓子を頬張りながら、ニコニコと答える。
平助の笑顔に弱い自分を自覚しつつ、コーヒーを二人分入れる。
「ほれ…急いで食うと喉詰めるぞ?」
「あ…ありがと、左之さん」
ミルクと砂糖たっぷりの暖かいコーヒーを受け取る。
渡されたお菓子を一人で平らげ、コーヒーを一口飲む。
「ん〜…」
「何だ?不味かったか?」
不安気に訪ねる左之に、平助が首を振る。
「メッチャ美味いよ。…何で左之さん、俺が欲しい物や好きな物、解んのかなぁ……」
「そりゃあ…いつも平助を見つめてるからじゃねぇの?」
ボッと顔を赤くする平助。
いつも言ってるのに、いつまで慣れないのか…。
ま、そんな所が可愛いんだけどな?
「///……ご馳走様」
コーヒーを一気に飲み干し…まだ赤い顔をしながら、何故か俺を見ている。
…………
可愛い過ぎる。
今すぐ抱き締めてぇ………
と考えていたら……
フワリと平助が俺の首に手を回し、触れるだけのキスをし、そのまま肩口に顔を埋める。
「…左之さん…俺に触れたいって顔してたから…」
固まる俺に、俯いたまま平助が呟いた。
「お…俺だって、左之さんをいつも見てるからさ…。左之さんが何して欲しいか…解るんだぜ……?」
……………参った。
俺の気持ちも全部お見通しって事か……。
そっと平助の背中に手を回して抱き締める。
「ん〜…あったかぁい…」
柔らかい声で平助が呟く。
「………て…おい…平助?」
「ん〜………左之さん…と…お日様…が…気持ち…い……」
……あろう事か
肩に額を起き、スヤスヤと寝息を立て始めた。
おいおいお〜い
腹膨れたら眠くなるって……
どんだけお子様なんだよ…。
でも………
無防備に体を俺に預けて眠る平助が……無性に愛おしい。
「ったく…仕方ねぇな…」
その日当たりのいいソファーで膝枕をして、平助を寝かせる。
前髪を梳きながら、俺もいつしか眠りに誘われた。
菓子より甘い甘い…
平助と過ごす時間………
(了)