誓いの光

□第2話:クラスメイト達との対面
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「それでは、この時間は特別に自習にします」



アンリの言葉に再びテンションの上がる生徒達。
苦笑しつつそれを宥めアンリはヒトミの元に寄る。



「でもその前にヒトミさん、ちょっと良い?入学テストで渡したスクール・スタイラーの説明をさせてね?」



ヒトミが頷くのを確かめるとアンリは説明を始める。
確かにその話は大事な事で基本である。
しかし、アンリの話は長かった……。
おさらいという事で生徒全員に話すように説明を始めるアンリ。
そしてやはりというべきか集中力が途切れる者も出てくる。




(話、長いな……)



それはヒトミも例外ではなかった。
自分の為に話してくれてるのはわかっているが極度の緊張から疲れがあるのも確かだった。
その状態で長い説明を受ければ限界が来ても無理はない。



「はーい、ダズル君。そこで大きなあくびをしなーい」

「……っ!」



自分に向かって言われたわけではないが一瞬ビクッとなってしまう。
アンリはダズルの方へ向けた目をヒトミに戻す。
するとなぜか険しい顔になった。
そしてアンリのその表情を見た瞬間、ヒトミは心の中でパニックになる。




(ア、アンリ先生、怒ってるっ?わ、私、何か……?)




もしかして話が長いと考えているのがバレてしまったのかとヒトミは焦るがそんな事が出来ればアンリは超能力者だ。
普通に考えればありえないのだが今のヒトミは冷静に考える事が出来なかった。
歩み寄ってくるアンリにヒトミは怯えて固まってしまう。
が、アンリはヒトミを通り過ぎてしまう。



「……?」
「いって!」



ヒトミが振り返るのと隣のハジメが声をあげるのはほぼ同時だった。
頭を押さえてるハジメと学級簿を持っているアンリを見れば何が起こったかは一目瞭然だった。



「ハジメ君?堂々と寝ないように、ね?」
「………」



堂々とじゃなければ良いのか……、と思ったもののさすがにそれを口に出す程ハジメは要領は悪くなかった。
その後アンリはまた説明を始めた。
今度はハジメもダズルも何もせず大人しくしていた為、何事もなく終わった。




「いろいろ教えたけどちょっと詰め込み過ぎたかな?後は実際に触って覚える事です。何事も経験よ。頑張ってね」



アンリはそうヒトミに対して笑顔を向ける。
それを見てヒトミはホッと息をつく。
さっき怖いと思ったのはきっと自分の気のせいなのだと考えていたのだ。
最も気のせいではないのだが……。



「リズミさん。ヒトミさんにスクールを案内してあげてね」
「はい、わかりました!」



リズミと呼ばれた金髪の少女はアンリの言葉に元気よく返事をする。
優等生っぽいはきはきした声だとヒトミは思った。



「私は職員室にいますので後はよろしくお願いします」



アンリはそう言うと教室を出て行った。



 
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