異恋遊戯小説〜修恋〜

□〜焦燥〜
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言葉で綴ってもそれは曖昧に消え、確かなもので証明できるのなら…



それは…



互いの肌に触れ


呼吸を重ね


目線を絡ませる



女の子相手なら簡単だけど、相手は男…


構造からして違っているのだから、気持ちも体も受け入れるのに時間が掛かる



力任せにできるのなら当の昔にしているけど…


だけど…


大切だから…


嫌われたくない


壊したくないから手が出せない


今まで大事にしてきた関係だから、余計に恐ろしいと思ってしまう…



タケのことが好きだから



ヤスのことが好きだから



大好きだから



誰にも渡したくない…



触れてほしくない



俺以外に笑ってほしくない


俺だけ見ていてほしい


相手が親しい友人でもそれは変わらない



ー…



だからあの日壊してしまった


無理矢理奪った


タケの“初めて”を…



目の前で盗られるのを見ているくらいなら


嫌われてても恨まれてでも


例え一瞬だけでも…


自分のモノと刻み付けたかった


それがどんな結末になろうとも…


タケに俺の気持ちを知ってほしかった


もう気付かれていたとしても構わない


俺から離れてしまう前に…


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



最近タケとまともに顔を合わせていない


家にいてもリビングでテレビを観ているか、部屋に籠もって中々出てこなかったり


学校に行っても机に突っ伏しているか、どこかに行くか誰かと話してる


でも最近目にするのは完治と一緒にいるところ


たまたまなのか、敢えてなのかは分からない


だけど、なんとなくだけど


俺に見せびらかしてるような気にもなるし


前はそこまで無かったような気がするのに…


完ちゃんも完ちゃんで、タケに触りすぎな気もする
(俺の勘違いかもしれないけど)



…まさか……タケ…



完ちゃんのことを…?



だから最近ずっとよそよそしかった…?


俺から距離を取ろうとした…?


俺の想いを知って…


俺の気持ちに答えることができないから…?



そんなの許せるわけが無い



ずっと一緒にいたのに…


高校入ってから知り合った奴に盗られるくらいなら

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