異恋遊戯小説〜修恋〜

□〜葛藤〜
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“大人しい奴ほどキレると怖い”



とは、よく言ったもんだよな…



数日前、ヤスが部屋に入ってくるなり俺をベッドに押し倒し羽交い締めにされたと思ったら、今度は慣れない手つきで…



いや、あれはもう無我夢中だったと思う


キスは唇を押しつけるようにするから歯が当たり、ズボンと下着を脱がされ、秘部を慣らさず一気にヤスの欲をねじ込まれた…


突然の出来事で思考はついていかなかったが、驚きのあまり咄嗟に抵抗した


けど、日頃から鍛えてある筋肉質の体には適わず、むしろ逆に制服のネクタイでベッドの縁に結び付けられた…


数日経った今でも、締め付けられた跡が生々しく紅く跡を残している…



ー現実だと識らしめるように…ー




考え込む俺の後ろから元気な声と共にアイツが飛んできた


あの呼び方に一瞬身体が凍る


俺のことを"タケ"と呼ぶのはこの世で一人…


恐る恐る振り替えると、そこにはいつも絡んでるダチの完治と完治の幼馴染みの緑川だった



「…んだよ、お前らかよ…

「?俺らじゃなんかマズいの?

「そういう訳じゃねぇけど…



言えるはずが無い


"弟に襲われた"なんて口が裂けても…


そういえば時折、切羽詰まったように完治がどうとか言ってなかったか?ヤスのやつ


緑川に課題のことで聞くのも面倒だったから、完治に聞こうとした時も過剰に反応してたし…



まさか…



完治の変わり…?



いや、でも、それなら市ノ瀬じゃね?


アイツのほうが仲良い


でも、ヤってる最中も確かに完治の名前を呟いていた…



なんで完治…?



仲は悪いわけでもない


完治は俺から見ても可愛い部類に入るし、その気を起こせば或いは…



考えたくねぇ…


考えたくもないのに、そっちばかりに思考が行ってしまう


相手が女なら諦めが付くものの



ー…よりによって完治かよ…




ヤスの事は諦めようと決意した矢先、本人に襲われた


心に秘めた想いが少しずつ浮上し、腕や腰の痛みを勝るように痛む胸を無意識に握り締めた…
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