異恋遊戯小説〜修恋〜

□〜決断〜
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康人は朝練を終え、掻いた汗を拭い制服に着替えて教室に向かおうと校舎に差し掛かったところ、滅多に学校に来れない人物に出くわした


その人物は、若干17歳にして国民的アイドルの市ノ瀬 渚である


彼は仕事が落ち着いた頃、稀にこうして学校に来るのだ


"芸能人である前に学生だから、学べる時間があれば出来るかぎり勉強をしたい"


というのだから、周りの人間は関心するばかりである


康人もその内の一人であり、また親友でもあるのだ


渚になら、何事も話せる


もちろん、健人のことも…


「ヤっちゃん、相変わらず朝から勢が出るね

「渚!!? え?今日来れたの!?

「うん、マネージャーに無理言ってね

「あ…


以前、自分の気持ちが爆発して半ば強引に健人を抱いたこと…そして、それからの事を渚とメールでやり取りしていたのだ


渚は康人のことを応援していたので、切羽詰まった親友のことが気になり、マネージャーに無理を言って登校してきたのだ


「ごめん…俺があんなことした所為で渚にまで迷惑かけて…

「ヤっちゃん…


ついさっきこそ、“周りに迷惑を掛けないでキリを付ける”と誓ったばかりなのにと、自分の腑甲斐なさに呆れるも渚に話を聞いてもらえるという安堵感も少なからずあった


「それで?健人くんとは…まだ?

「う…うん…

「そっか…う〜ん…ここじゃなんだから、取り敢えず教室に行こっか?

「そう…だね…


康人が歯切れの良くない返事をするのも仕方はない



教室には健人以外に誉と完治がいるのだから
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