異恋遊戯小説〜修恋〜

□〜叶わぬ想い…〜
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ー…


「集合まで時間、まだあるよな?」

「あるけど、どうして?」

「暇つぶしにサッカーしようぜ」

「やるやる!」




俺は神崎健人


自分で言うのもなんだけど、顔もルックスも頭もいい


それにプラス、サッカーのエースときたらモテない訳がない
(別にモテたいわけでもないけど)




「ねぇねぇ、あの二人って双子かな?」 「代官山高校のエースとピッチャーじゃない?」 「声掛けちゃう?」




早速、女子からの熱視線


俺は慣れているから何とも思わないけど、"普通"の男なら嬉しいに決まってる


多分、アイツも…



「…相変わらずモテるね、タケ」



女子たちの話し声が聞こえたのか、さっきからその方向を見ていたヤスが俺に笑い掛けた


少しは嫉妬ちを焼くかと期待したがその期待は外れ、落ちる気持ちを隠すように無難な問いを返す


「お前のことも言ってんだろ」

「え?言ってた?」




ーったく… 自分の事となると鈍感なんだからよ…



で、その鈍感でポヤ〜と天然気質丸出しのこいつは俺の双子の弟、康人


ヤスはウチの高校・代官山男子高校の野球部で、早い時期から投手を任されるほどの天才ピッチャー



だけど…



今年の甲子園で打たれちまった…


それ以来ヤスは本気を出さなくなった…というか


出せなくなった


俺も監督も励ますものの、ヤスが今みたいに明るく振る舞うようになったのは
ここ最近のこと


また投げられるようにしてやりたいけど…



ー俺じゃ…無理なのか…ヤス…ー
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