異恋遊戯小説〜修恋〜
□〜想い〜
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ザワザワと落ち着きのない生徒達が楽しげに談笑する中
見つめあう健人と康人
二人の空間はまるで、時が止まったかのような静けさ
その空間を一人の男が切り裂く
「神崎弟、邪魔だ
低くもよく通るその声の持ち主は、完治の想い人・緑川 誉
まるで蛇に睨まれた蛙のように微動だにしない康人に容赦なく言葉を発する
「聞こえなかったのか?邪魔だと…
「まぁまぁ、誉。そのくらいで怒らない。ね?
「…………
「そうだぜ、緑川。ヤスは朝練し終わったばかりなんだから、疲れてんだよ。な?
「え?あ…
久しぶりに言葉を交わした健人だが、嬉しさと戸惑いのあまり言葉を上手く出せない康人に皆の視線が行く
「えっと…あの…その…
焦れば焦るほど返す言葉が出てこず、俯く康人に柔らかい声音が重なる
「やっちゃん、疲れが蓄まってるんじゃない?休んできたら?
「渚…
「ね?
思わずの助け船で顔が綻ぶ康人だが、それを見逃さなかった健人は、康人の腕を掴み教室を出ていこうとする
「んじゃ俺が連れていくから、あと宜しくな完ちゃん
肩越しに振り向き、完治にそう告げると足早に去っていった
「オッケ〜♪頑張ってね〜♪
背中で受けた完治の言葉に軽く手を振る