シンデレラガールは走り出す

□episode7
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closeの札が中から下がった「ti.amo」に着いたとき、真っ暗な空からは雪が降り始めていた。ほんとにホワイトクリスマスになっちゃたな。
お母さんは仕事場から直行するって言っていたから、もう中にいるのかもしれない。

「こんにちはー」

ドアを開けると、ぶら下がっているドアベルがチリンと音を立てる。

「いらっしゃい、結子ちゃん」
「結子、やっと来たか」

カウンターではいつものエプロン姿のハルくんと、その前の席に座った蛍くんがいた。蛍くんは相変わらずキラキラしてて、イケメンオーラが半端ない。とりあえず、長い脚を組んで座ってるから余計にイケメンだよね。
奥の方で、お酒片手に盛り上がっている連中(いちくん、陽くん、とっしー、お母さん)を無視して、蛍くんの隣に座れば、ハルくんがオレンジジュースを出してくれた。

「なんか、蛍くんに会うの久しぶりな気がする」
「前会ったの、一カ月前だっけか?」
「たぶん、そのくらいじゃないかな?」

蛍くんはお馴染みのメンバーの中で1番歳が近いから、本当にお兄ちゃんみたいな感じがする。他のみんなも、歳とか関係なく気兼ねなく話せるんだけどね。

「会わない間に、またイケメン度増した?」
「どうだろうねー」
「ちょっと結子ちゃん!!俺だって、イケメンでしょ!!」
「レベルが違う。蛍くんの場合、カンスト(MAX)してるもん」
「おぉい!!ハルくんに失礼でしょ!!」

適当に「そうだね」って言ってみれば、ハルくんはまた何か言っていた。あたしの横で、蛍くんは笑ってたけど。



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