シンデレラガールは走り出す

□episode7
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いつものメンバーで集まる、毎年恒例のクリスマスパーティ。みっちゃんが女子高生が”みんなでクリスマスパーティ”なんておかしいって言っていたけど、あたしは全然好きだからいいじゃないか。
第一に、彼氏なんていないんだから、仕方ないし。何故か、あたしって彼氏出来ても続かないんだよね。理由は知らないけど、続かないものは続かないんだよ。
…今のは、彼氏が出来ても続かない女の言い訳だろうか。

彼氏は出来ないわけじゃない。でも、どこかで続いていくことを邪魔するあたしがいるんだ。この人じゃないって警報を鳴らしてきて、気が付いたらバイバイしちゃう。そんなのを繰り返している。
あたしが警報を鳴らさない人に出会えたとき、今悩んでいるたくさんの気持ちに気付けるのかな。

「結子は今、冬休み?」
「うん、そうだよ。・・・蛍くん、去年のクリスマスも同じこと聞いたよね」
「えっ…まじで?」

ウィスキーグラスを片手に眉間にしわを寄せて、慌てた表情の蛍くん。にやりと笑って「言ってたよ」って追い打ちをかければ、蛍くんは「まじかー…」と頭を抱えた。そんな蛍くんに、同じくにやりと笑ったハルくんがここぞとばかりに…。

「早くも老化?」
「うっせぇ、しばくぞ」
「ごめんなさい」

謝るの早いな、おい。
一応、ハルくんの方が年上なのに、なんなんだこの力量差(蛍くんは、26歳です)。
カウンターに手を付いて平謝りしてるハルくんを見て、蛍くんは「よし」と頷くとおかわりを要求する。蛍くんって、S気質な気がするんだよね。イケメンで、少しS。完璧じゃないか、蛍くん。ハルくんは、そんな蛍くんと違って天然系だから、勝てないんだろうね。頑張って、ハルくん。

あたしもおかわりしようと、ハルくんに注文しようとしたら、隣に誰かが座ってきた。誰だろうと横を見れば…。

「ゆいちゃん、飲んでる?」

上半身裸の陽くんでした。しかも、何気にモデルポーズ決めてるし。




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