加藤家

□five
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ということで、堀江さんと眞姫さんが俺らの家に来ることになりました。

「いや、どういうことだよ」

俺の後頭部に打撃が加わります。全く、スナップの効いた、良い平手ですよ

「ありがとう、和。ツッコんでくれなきゃ、どうしようかと思ったよ。さすが俺の和だよ(兄貴的な意味で)」
「よせやい、照れる。俺の智耿のためだから、当然だろ(弟的な意味で)」
「「変な空気出すな、加藤ツインズ」」

俺たちの、腐女子へのサービスコントを、堀江さんと眞姫さんが死んだ目で見ています。いいじゃないですか、コントの一つや二つ。こちらと、日々ツッコミに勤しんでるんですから、たまにはふざけたくなりますよ。

さて、置き去りにしていた冒頭の話に戻りますが、堀江さんが俺達の家に来たいと言い出し、それに眞姫さんが賛同したことによって、加藤家二名様ご招待ツアーとなりました。和も今日は部活が休みで丁度いいし、学校から直帰で家に案内します。

本来なら可愛い妹の南海を幼稚園に迎えに行かないといけないんですが、ここは李桜さんに泣く泣く役目を譲ることにして…。








「へぇー…結構大きい家なんだね」
「二人はお坊ちゃん的な?」

堀江さんと眞姫さんは、俺らの家を珍しそうに見上げます。
家的なもので見れば、俺らはお坊ちゃんかもしれませんが、無駄にでかいだけなんですよ。

「一応、旧家なんだよ」
「あっ、そうなの?じゃあ、かずは『〜おじゃる』ってしゃべらないとね!!」
「てめぇ、旧家を馬鹿にしてんじゃねぇぞ」

堀江さんが旧家にどんな偏見持ってるかは知りませんが、その話し方は旧家っていうか、平安貴族です。旧家は旧家でも、大昔過ぎますよ。

家の人間だけでもツッコミが大変なのに、この二人も揃ったりしたら、より大変だな。とりあえず、お茶出してお菓子だして…昨日作ったシュークリームまだあるかな?(こういうところが、主婦思考)

まぁ、なにかあったらオカンにフォローしてもらおう。

「「ただいまー」」
「「お邪魔しまーす」」
「おりゃー!!」

玄関をあけたら、箒を振り回して狂気乱舞しているマイマザーがいました。

あれー…オカン、あなただけは常識人でいてくれるって信じていたんですけどね。たまに、たまにですよ?ちょっと発言が卑猥だなー…ってなるけれども、通常は空気読んでくれるじゃないですか。あれですか、今日は息子が友達連れてくるからってことで、あえて空気読んでない感じなんですかね。





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