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□信頼なんて、クソ食らえ。
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人を信じて
愛することはすごく難しい。
「まぁまぁおとうさん、おちついてください」
「落ち着いてられねぇよ…」
「翔ちゃんの子供とか嬉しいですー!でも翔ちゃんのお婿さんが良かったなぁ…」
「なんで俺まで」
なぜか今、ママゴトをしている。
事の発端は、
那月の
「唯ちゃんはおままごと、しないんですか?」
発言だった。
「きょおのばんごはんはなににしますか?」
「…具材たっぷりのシチューがいい。」
「おとーさんはほんとにしちゅーがしゅきですねぇ」
「お母さんのシチュー、美味しいですよね、さっちゃん!」
「…俺は肉じゃが派。」
「じゃああしたにくじゃがにするね」
「唯、いつの間に砂月と仲良くなったんだよ?」
「さちゅきおにーちゃん、てれやさん」
「ぶっ、ははは!砂月が照れ屋!?ははははははは!ヒーヒー、腹いてぇ、お父さんもビックリだぜ、…ぶふっ」
「おい、チビ。覚悟は出来てんだろうな?」
「ひぃ!?」
チビを追いかけ回していると、
『おにごっこしてるのー!?まーぜーてー!』
とガキがくる。
子供は嫌いだ。
すぐ泣くし、うるせぇし。
でも、このチビの妹は不思議と嫌な感じはしなかった。
信頼なんて、クソ食らえ。
(その二文字は、すぐに消えていく言葉だから。)