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□息が止まるくらいに
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本当に大切なものは
ひとつしかない。
















「ね〜んねん〜ころぉりぃよお、おこぉろおり〜よぉ」

今はお昼寝の時間だ。
翔は那月が園児に聞かしているいわゆる子守歌を聞いてウトウトしていた。

イケメンは声もイケメンらしい。
顔は綺麗だし、声も格好いいし。どうやら2物も3物も与えたらしい。

那月は音楽の先生になりたいらしい。
男なのに音楽の先生なんてめずらしいが、那月は美声だし、歌もうまいし、いいと思う。

性格はちょっと…いや、かなり天然変態だけど、やさしいし。


(さぞかしおモテになるんでしょーね。)



と心の中で嫌味をいっていると



「ーん、ーちゃん



しょーうちゃん」


那月の顔が間近にあった。
那月の鼻と翔の唇が触れそうな距離だ。


「…ちけぇよ」

「ーです。」

「は?なんだって?」

「近くで見れば見るほどに可愛いです!」

(この男はこうやって女子を誑かしているのか)

また心の中で嫌味をいう。


だいたい、せこい。
背が高くて
イケメンってだけでもうそりゃぁモテモテだろうに、

性格までいいなんて。(変態をぬいて)


「だぁかぁら!ちけぇ!」

ぐぐ

一生懸命に那月の肩を押しても効果はなくて逆に那月の腕の中にすぽりと余裕で入ってしまった。

園児は全員、寝ていたし、砂月はどっかに行ってしまったから、

「しょーちゃん、ふふ、かわいい」


なんて耳元でイケメンボイスに囁かれたら誰だって真っ赤になるだろう。

しかも顔もイケメンときた。

「な、つ、き、耳元ではなすな、ばか!…ひゃぁ!?」

甘噛みをしてきて、女みたいな声がでてしまう。


(スキンシップ、過度すぎるだろ!!)

「んぁ、な、つき!や、め、っふぁ」

「しょうちゃんはお耳が弱いんですね?」

「や、めろっ、て!」

「ー…ごめんね」


やっと解放されたと思った。


「…ふむ!?」


いきなり唇をふさがれる。
息も出来ないくらい深い、キス。


「ふ、む、んぅ、ふむ、」

「ごめんね、しょうちゃん」


そういって俺から離れてどこかに行ってしまった。

(…あれ、息が、続かねぇ)

それと同時になんでか呼吸がしにくくなった。

















息が止まるくらいに
(こんなに呼吸がしにくいのは、はじめてだ)

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