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□気が付けば側にいる。
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笑った顔がみたいと思った。












那月を避けに避け続けた結果

「翔ちゃん」

それが逆効果だった。
唯が言ってしまったのだ。昨日の翔はおかしかった、と。


「…んだよ」

「翔ちゃん、ほんと?」

那月は珍しく屈んで翔と視線が交わるように翔の少し下から見上げた。


(…なんかむかつく)



だいたいなんでこんな自分ばっか動揺しなきゃいけないのだろうか。
那月はむしろ宇宙人じゃないのか?

「…」

途端に那月を辱めてやりたくなり、俺は


ぎゅう


「!?!?!?」

那月に抱きついた。

「あああ、あの、しししし、しょうちゃ、ん?」

ぎゅう
と力を込める。

「…なつき」

そして顔をあげて
那月の方を見ると、






「え、」






真っ赤な顔をしている那月がいた。

「な、なつ、ん!?」

那月にキスをされた。


「ん、…ふぁ、ふ、んむっ」


何度も、何度も角度を変えて。



「ふぁ!…はぁ、はぁ、んだ、よなつ、き…」


キッと那月をにらむとどうやら逆効果らしく

「翔ちゃん!かわいい!顔真っ赤で涙目とか!…誘ってるんですか?」

「ちっげーよ!ばか!!!」

バシッと背中をたたくと那月は全然痛くないらしく、ふにゃあと笑った。


「そういえば思ったんですけど、翔ちゃん僕のことすきですかぁ?」


「ぶっ!ぶぁか!すす、好きなわけねぇだろ!」


ココロの中でお前を想ったことはだれにも内緒だ。

















気が付けば側にいる。
(それは当たり前のことになっていた。)

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