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□好きなのは僕だけ?
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優しいから、気をつかってるのかと思った。










「唯ちゃんとさっちゃん、どうしたんですかねぇ?」

「さぁな。…でもなんか砂月の奴、唯に無視されて不機嫌じゃなかったか?」

「そうですかぁ?」

そう言って首を傾げる那月に翔は言った。

「砂月は俺が無視しても不機嫌にはならない。キレる。」

「僕には怒らないし、不機嫌にはなりませんよ?」


「那月は別。ってかそこが唯と那月の違いだ。で、俺にはキレて、唯にはキレなかった。うーんつまり」

少なくとも友達とか以上の感情がある

と翔は眉を顰めながら言った。

「それは僕が翔ちゃんに対する感情と同じって事ですか?」

「同じかそれとも…同情か。でも砂月は同情なんかしない。よって、恋愛感情か。」

「僕と一緒ですね!」

「そうそう…ぁ、」

途端に顔を赤くする翔に那月は照れてるんだなぁほんと可愛い、と思った。



しかし、あと二週間くらいでこの職場体験は終わってしまう。
まぁ幸いにも翔も砂月と友達なので翔の家で遊ぶとなればいいのだが。

「うーん唯はどうなんだろうな」

「唯ちゃんも、好きだと思いますよ?さっちゃんのこと。」

「でも、年が10いくつもはなれてるんだぜ?」

「そうですねぇ、でも好きに年齢は関係ないと思います。」

「那月らしーな」

そう言って笑う翔に那月はなんだか胸が苦しくなった。


「砂月はロリコンなのか?まさかな。唯だからだよな、絶対。」


「さっちゃんは唯ちゃんが大好きなんですねぇ」


「…那月?どうした?」

「なにがですか?」

「…なんか泣きそうな顔してるから、」

「…ねえ、翔ちゃん。好きなのは、」











好きなのは僕だけ?
(その言葉が彼を悩ませてしまうなんて決まっているのに。)

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