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□あなたにはとどかない。
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どんなにあがいても、縮まることのない差。
「…、さつきおに
「砂月でいい。」
「…さつき」
さつきはわたしをみてからほほえんだ。
「なんだよ」
「え、と」
「好きって言えよ」
「…わか、ない。すき、なんて、」
知りたいのに、
知りたくない感情。
「じゃあこれから俺を好きになればいい。俺もお前をだんだん好きになっていくから。」
「…ぇ」
「唯。」
「でもっ、でも、…10さいいじょう、はなれてるし」
「歳の差は関係ねえ」
「さつ、」
「お前と一緒ならなんかわかる気がするんだ。」
そういってさつきはわたしをもちあげた。
「あ、え!?」
顔があかくなっていく。
「なぁ、唯。俺を好きになってくれね
ぇか?」
「っ、」
「なぁ、唯」
あなたには届かない。
(好きだってやっときづいたのに。なのにそれさえ伝えられない。)