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□なんて不幸なんだろうか…。
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あぁ、なんて不幸なんだろうか。

「なんだぁ、男かぁ」

「…見たことある気がするような、」
「ー…。しつれーしました」

「あ!特待生の来栖翔!!」

(やっべ、めんどくせぇことになった…。)

「あなたが来栖翔ですか。」

「びんぼーなんでしょ??」

「早乙女学園の制服が買えるだけのお金もないのかい?」

「可哀相なやつだ」

「はっ、クソガキ。ここはおこちゃまが来るところじゃねぇんだよ。」


イケメン集団だ。
ホスト部といっていたし、世間知らずの金持ちの中の金持ちがつくった感じの部活だ。

(性格悪っ!!やっぱ金があると性格ひん曲がんのか…?)

「え、と、来栖くんですかぁ?」

「…。」

うっわ!なんだアイツ!
ちょーきらきらしてる!王子様オーラ全開じゃねぇか!


「お勉強するために、ここに来たんですかぁ?」

「…べつにカンケーないだろ。」

「てめぇ那月になんて口利いてんだ、クズ。」

「…しつれーしました!」



でてこうとしたら
たまたま高そうな壺が置いてある低い柱にぶつかる。


「!」



ガチャーンッ!






(や、やらかした…。)


「それいくらすると思ってますか?」

「…ごまん?」

「五十万だよ、おちびちゃん」
「ごじゅ!?」

いつもはチビじゃねぇって反応すんのにそれさえ出来なかった。

「あーあ、どうするー?なつきぃ」


「そうですねぇー」


「あ、あの、金は必ず返します」

「バイトでか?」

「何年かけるの〜?」

「おい、那月。良いこと考えたぜ。」

「さっちゃん??何ですか?」

「こいつをこのホスト部に犬として働かせればいいだろ。」

「ホストとしては駄目でしょうかねぇ」

「絶対に無理です。たしかに少しぐらいは洒落っ気はあるようですが、こんな汚い恰好で、しかも身長も低く、顔もメガネと帽子でよくみえません。」

「…じゃあ、ホスト部のわんこですね!」

「…ぇ」










なんて不幸なんだろうか…。
(やることなすことすべてが人生で一番最悪な日だ。)

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