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□好きこそものの上手なれ!
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『あら、那月様そのお方は…?』

「ホスト部のワンちゃんの来栖翔くんです。」

(最悪だ…)

「ワンちゃん、姫にあいさつを」

「一年の来栖翔ですワン。」

「おい、駄犬。はやく茶くんでこい。」

「…はい、砂月先輩うぶ!」

「あ、来栖わんこ、大丈夫〜?」

一十木に衝突してしまった。

「…大丈夫だけど」

というといきなりじーっと顔を近づけてきた。

「!?」

「…、頑張ってねぇ、わんこ!」

「…(イラ)」

とてとて、と歩いてお茶をいれようとしていると


「俺が淹れよう。」

「…聖川先輩」

「こぼされては見ていられないからな。」

そう言って微笑む聖川先輩は一番やさしい。


「あ、ありがとうございます、」

と先輩を見上げると、


「ーっ!」

顔をそらされた。


「?先輩?」


「い、いや、…おまえ…」

「?」

「…なんでもない」




「?、…うお、!」

こけそうになった、俺を支えてくれたのは


「…大丈夫かい?」

「神宮寺先輩、ありがとうございます。」

「…もしかして、…いや、なんでもない。」

なにかをいいかけてやめた。

「…?」

「メガネと帽子取ったらどうだい?イッチー。なかなか可愛い顔をしていると思うんだけど。」


「こんな汚い恰好でお客様に接客できるわけー…」


見上げた瞬間に
言い掛けた言葉を一ノ瀬先輩は止め、


「…、四ノ宮さん。」


と言って那月先輩を呼んだ。
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