kurobasu

□君のいない世界
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だいすきな、だいすきな

君がいなくなってしまった。



























「黒子っち〜」


「なんですか」


いつもみたいに本を読んでこっちを向かない無表情の彼に少しだけムッとする。



「黒子っちは俺のこと好きっすか?」


「普通です。」


「俺女の子にもふられたことないんすよーーー?」


「そうですか。」




いつも相手にしてくれさえしない。


俺はそんな彼が好きだった。














「え!?黒子っちが辞めた!?」


「あぁ。」


「ーっ」


いつでもどっかに消えてしまう彼は
俺の前から、バスケの前から姿を消した。





「っ、はぁはぁ」




いつもいる、図書室にいるんじゃないのか。
嘘だったり、するんじゃないのか。



「黒子っち!!」



バン
と開くと、誰もいない図書室に俺の声が響く。




「くろこ、っち?」



「いるんすよね?隠れてないで、出てきてくださいよ…、ねぇ、ねぇ!ーっ」



「今日はエイプリルフールじゃないっすよ!?…なん、でー」










ぽたぽたと涙が頬を伝う。

























君のいない世界
(いつもは綺麗に色づいているこの世界が、すべて灰色にさえ、見えた。)

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