kurobasu

□夢中なんです!
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女の子にお返しなんてしないのに
なぜか彼女だけは特別だった。


















誠凛高校の校門の前で少しだけカッコつけたように寄っ掛かって立っていると女の子に囲まれた。


それからしばらくして
お目当ての女の子が本を読んでる姿が見えたので女の子にごめんね、と別れを告げ彼女に近付く。



「黒子っち〜!!」

名前を呼ぶと、彼女はこちらに顔だけ向けた。

「ー…黄瀬くん、お久しぶりです。」


表情を変えずに言うと、本に視線を戻して体育館に向う彼女を追いかけた。

黒子っち、と俺が呼んでいる女の子は
水色の色素の薄めな肩までのピョンピョンと跳ねたボブヘアー。
垂れ目気味な、髪と同じ色の大きな瞳に
日があたったことがあるのかわからないほど焼けていない透き通るような真っ白い肌。
筋のとおった鼻に桜色の唇。
小さい身長にほどよい細さの身体。


いつも見るたびに可愛くなっていく彼女にキュンキュンする。

不安になる一方だ。



「黒子っち〜今日は部活ないんで、黒子っちに会いに来ちゃったっス!!」


「私に会いに来ないで練習してください。火神くんに負けますよ。」


火神っちの名前が黒子っちの口から出てきて、少しだけムッとしてしまった。


「黒子っちに会いたかったんスよ〜」


「私、これから練習ですから」


「俺も練習まざるッス!!」


「…」














「あら、黄瀬くんなら大歓迎よ!どんどん真似しちゃってチョーダイ!!!!」

「ありがとーッス」

「…」

横のコートで男とまざってバスケをする黒子っちをちらりと見ると、たまたまこっちを見た彼女と目が合う。

「黒子っち〜!!今の俺のシュート見たッスかーーー!?」


ブンブンと手を振って黒子っち〜と名前を呼ぶとふいっと顔を背けた。
そんな黒子っちにキュンキュンしつつ、ダムダムと一人二人と抜いていく。

「さすが、キセキの世代だな」


「はっ!!キセキの世代の黄瀬(キセ)…」








シュートを決めたあとに、黒子っちを見ると、ふいに昔を思い出してしまった。
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