utapuri
□アレロパシー効果
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アレロパシー効果とは
ある植物が他の植物の嫌いな物質を出してそこから追い払うこと。
『好きです!』
何回目だろう。
男子に告白されるのは。
される度に毎度毎度出てくる、
「おい、俺のもんに告白してんじゃねぇよ、カス。」
四ノ宮砂月。
『ひぃいい!四ノ宮さん!!すみませんでしたぁあああ!』
「…さつき、また?だいたいあんたの物じゃないわよ!那月といい、あんたといい…。」
那月とは
砂月の双子の兄である。
顔は瓜二つだが性格は間逆。
「お兄ちゃん、困ってたわよ!」
私のお兄ちゃん。
来栖翔
那月に好かれていて
なんだか本当に可哀想。
付き合ってるかどうかは分からないけど
あきらかに
友達以上恋人未満
「あ?那月はいつものことだろ。しかしお前も毎度毎度よくやんな。」
コイツとは幼なじみで
二個上。
那月と砂月が高3
お兄ちゃんが高2
私が高1
「私が毎度毎度してんじゃなくてあっち、だからね。人が告白されてんの、割り込まないでくんない?男らしくしなさいよ!だいたいなにが『俺のもん』よ!笑えるわ!」
「おい、まな板。」
すごい迫力で私を睨む。
「ーっ!ま、まないたじゃない…」
「ほぉ?俺が揉んででかくしてやろうか?…あぁ、揉めるほどの胸、ねぇか。」
「あんた、ねぇ」
いつもはここで止めてくれる兄と那月がいない。
きっと追いかけっこという名の戦争を繰り広げているんだろう。二年の教室で音也とかトキヤ先輩、聖川先輩を巻き込んで。
「だいたいねぇ!告白される度にわざわざ俺のなんていいに来ないで!彼氏じゃないんだから!彼氏は自分で作るわ!砂月とはちがって優しくて、気遣いできて、面白くて…それから」
「だめだ」
「はぁ!?なんでっ」
「お前は俺のだからだよ、唯。」
「は?」
「お前が告白されてるとムカつくし、邪魔してやりたくなる。」
「さ、つき?」
「お前が好きだぜ」
そう言ってキスを落とされた。
アレロパシー効果
(使いたいのに、使えない。)