utapuri

□だって女の子だもん!
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まさか、気付かれていると思わなかった。
よりによって、コイツに。



いつもみたいに
ベットでゴロゴロしていた。

「クソチビ、でたぞ。」

「んー、今行く…いっ!」

忘れていた。
俺は今日、生理だったんだ!!!


「い、た…」

「チビ?どうかしたのか」

「…んでもねぇよ」

俺は女だ。
じゃあなぜ男と同室かって?
それは、おれが男装アイドルをめざしている、からだ。
林檎先生の逆。
日向先生みたいに男らしくなりたくて、気が付いたら男装してる自分がいた。
男装アイドルだから取り敢えずニックネーム?っていうのか?
その名前は来栖翔。
本当の名前は小傍唯。
いくら先生でも男女が同室は許してくれねぇかなとか思ってたけど、絶対大丈夫なやつと同室にしてもらった。
それが、那月。

でも俺はヤバいと思った。

那月のもう一つの人格、砂月にバレるんじゃないかと。
まぁバレてもいいんだけどなんつーか、俺のプライドが許さなくて…。

まだバレていない。




「うー」

「辛いんなら言えよ、チビ。」

ほい、と正露丸と水が入ってるコップを渡してくる砂月。

ゴクンッ

「ありがとな…、…ん?」

「女子の日なんだろ」








「ななななななななななんで、俺が女だって知って…!?」

ニヤリと口角をあげる

「最初から気付いてたぜ。お前が女だってこと。」

那月にバレるなら
まだマシだ。
きっと口封じすれば
口外しないでくれるから。
でも、砂月は…



「言わないでやってもいいぜ?」

「ほ、本当、か?」

「あぁ。そのかわりー」


「そのかわり?」



「楽しいこと、しようぜ」


嫌な予感的中。


「お、俺、せせせ、生理だし」

「大丈夫だ。エロいことはしねぇよ。」

「え、じゃあ楽しいこと、って?」


「決まってんだろ」

砂月が那月のクローゼットをあける。


「え」

そこにはいろいろなコスプレが。
メイドにナース、セーラー服にバニーガール、チャイナドレスに甘ロリ、ゴスロリ。
「お着替えしようか。翔、ちゃん?」

「え、ちょ」
(てか那月!なんでこんなの持ってんだよっ!!)
「なんだ、俺に脱がせてほしいのか?意外と積極的だな、まな板。」

「まな板…!?」

「ほら、はやく」
そういって口角をあげた。





だって女の子だもん!
(その嫌そうな真っ赤な顔、そそられるな)(悪趣味!!)

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