utapuri

□おとうと君は心配性
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小さい頃から心配性な弟。


『ゆいちゃん、あぶないよぉ…』

『だいじょぶ!かおるはおとこの子なんだから、そんななさけないかおしないで』



昔から何も変わらない。心配性な弟。



『ゆいちゃんっ!』







「ダメ」

「いーじゃないっ!」
「ダメっていったらダメ。」

「薫のけちっ!」


なぜこんな言い合いをしているかというと、

「ダメに決まってるでしょ。男の中に唯ちゃん一人で三泊四日の旅行、だなんて」


男は狼なんだから、
そう薫はいうと
唯は肩を落とした。



「誰も私のこと、女だって気付いてないし」
「ダメ」

「誰も私のこと、女だって感づいてないし」
「ダメ」


ぶすくれる唯をよそに薫は続ける。


「ねぇ、しかもなんでそれが、鬼畜めがね…、四ノ宮さんとかとの旅行なの」

「那月なら安心だろ」
「いや、むしろ超不安だよ。」

「那月なら大丈夫だって〜」

「【翔ちゃん】は人の恋愛感情に鈍いからそういうこといえるんだよ」

「…、む」

「だいたいきち…四ノ宮さんが眼鏡はずれたらアウトでしょ。」

「ぁ、大丈夫。砂月にはばれてる」

「誰にもバレてないってなかった?」

「…。」

「…魔王になんかされなかった!?」

「まおうって…。さ、さ、されてないし」

薫から目をそらす唯に薫はまるで子供を心配する母のように、何されたの?と質問責めだ。
唯は呆れたように薫を一瞥する。

「薫は何をそんなに心配してるの?」
「唯ちゃんの処女の心配」

「…誰にも襲われないって」

「わからないでしょ四ノ宮さんとか、
四ノ宮さんとか、
四ノ宮さんとか。」


「那月しかいないじゃん」

那月のことを思い浮かべて、砂月にされたこの間のことを思い出してしまい、顔が真っ赤になる。



「唯ちゃん!言わないとわかんないでしょ」

「…耳、かじられて」

それから?、とせかす薫に小さい声で言う。


「き、きす、されて」


それから?とだいぶ怒りを含んだ声で聞いてくる

「む、むね、さわられた」


「なんなの!?あの鬼畜裸眼!!僕の可愛い唯ちゃんの耳をかじって、キスしてそれだけじゃ飽きたらず唯ちゃんの神聖なAカップを触った!?その後はどうしたの!?」

「ぅえ!!?えっと、近くにあった眼鏡をかけてなんとか…」

「ふぅん、じゃあ」


薫が耳元に顔を近づけた。


「ーっ!」
「僕も、砂月さんみたいに唯ちゃんに消毒するね。」






おとうと君は心配性
(ま、間に合ってますぅう!!!)
(ふふ、じゃあいっただっきまーす)

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