utapuri
□一目見た瞬間、輝きだした俺の未来
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俺には兄がいる。バカで、ヌケてて、天然で、お人好しな。
そんな兄には幼なじみがいる。俺は小さい頃から寮暮らしであったことなどないが。
兄はその幼なじみに恋している。
そいつの顔を拝みにいってやろう、そう思っていた。
大好きな、兄。
(ー…正確には二番目になった兄。)
そう…俺は一目惚れをした。
「那月ー、入るぞ」
久々に帰ってきた自分の家に着くと同時に那月が惚れた女が気になり那月の部屋に向かった。
ガチャ
「あ!さっちゃーん!久しぶりだね!元気だった!?」
抱きつこうとする那月を適当にあしらうと、(照れてる。)
「…、そいつ…」
那月のベットの上に足を組んで座って女性用雑誌を読む女。
幼い顔つきで身長も低め。
腰までの金髪はくるりと巻いてあり、赤いピンドメを重ねるように4つとめている。その上から白いおしゃれなハットを被ている。
水色の瞳はクリクリと大きくて、茶色の睫毛は多くて長い。筋の通った鼻に唇はうすい桜色で肌も透き通るような白さで頬は少しピンクに染まっている。
そんな『美少女』の服装は…明らかに那月の趣味だ。ピンクがあしらわれた短いスカートに白いニーハイ。絶対領域がチラチラと見える。上にはフリルのシャツに赤いリボンが胸で結ばれている。その上から薄ピンクのカーディガンを羽織っている。
ドクン、
心臓が高鳴る。
「…まな板」
「うるさいっ!!」
顔を真っ赤にして怒る、というよりはキャンキャンと犬みたいに吠える。
「しょ、初対面に向かって何よ!だいたい、私はね、小さいんじゃなくて、その…。成長、しないだけ…。」
だんだんしょんぼりしていく『美少女』。なんか、可愛い。
「唯ちゃん!唯ちゃんは可愛いからぜんぜん気になりませんっ!それに唯ちゃんなら何でも可愛いです!僕があげたお洋服も、着てくれてすごく似合ってます!うれしいです!」
那月はコイツにぞっこん。
「…ほかに、着るの、なかった…から」
頬を染めていく。どうやら“ゆい”と言うらしい。
「それでも!スッゴいうれしいです!」
「…。」
会話に入れない俺。それを見かねてか、“ゆい”が、
「あ、…砂月、だっけ…?え、と…那月の双子の弟よね?私、唯。那月の幼なじみよ。」
そういって、手を差し出してきた唯に俺も手を出して繋ぐ。
そのまま繋いだその手を思い切り引っ張る
「うわぁ!」
唯が俺に抱きつく形になって倒れ込む。
「いたた、砂月、?何よ?」
唯の腰に手を回し、ぐっと近づけて
「ちょ、な、さつひ!?///」
耳を
かぷ
「ひゃあっ!〜っ///!」
「よろしく、な?唯。」
「ーー!!?/////」
「さっちゃん!ずるいですぅっ!」
一目見た瞬間、輝きだした俺の未来
(ヒトはソレを運命と呼ぶ。)