utapuri

□meetlove
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砂月side















俺の名前は四ノ宮砂月。

俺には、好きな奴がいる。

名前は、小傍唯。
今を飾る謎の人気モデルだ。

ただ、一目惚れだった。

雑誌で見かけた瞬間に恋に落ちた。

那月も小傍唯が好きだ。
でも、おれは




那月の眼鏡を外したときに現れるもう一つの人格だ。

俺は那月の存在を知っているが那月は俺の存在を知らない。


よって、二つの人格が統一したときに

消えた方がいいのは俺だ。


だから、無理な恋だ。絶対に叶わない恋。


那月がホットミルクティーを喫茶店で飲んでいて眼鏡が曇ったからはずした瞬間に



またか、

そう思って


街を歩いていたら
見たことのあるやつが絡まれていた。




「…こそば、ゆ、い?」



あまりにも小傍唯にそっくりで、助けた。




「大丈夫か?」



「は、い…。ありがと、ございました…」


そいつが俺を見上げたとたんにー…




(小傍、唯…)




また、恋に落ちる音がした。



那月が、
唯がでる新ドラマの相手役のオーディションを受けにいくらしい。
最終審査まで残って、小傍唯と演技をする、らしい。



眼鏡を外すと人格が変わる。

この役は、まさに俺と那月だ。




小傍唯が泣く。


那月が眼鏡を外すー…、








「…俺もお前が、好きなんだ。」

好きだ、唯。

唯の瞳が揺れた。


「あいつは俺が自分の中にいることを知らない。だから、俺が、消える。」



「な、んで」

ぽたぽた

「泣くなよ、ばか。お前が泣くと、消えたくなくなんだろうが」




なあ、俺も
この役みたいに消えなくちゃいけねぇのか?
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