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□この幸せを噛みしめて
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横で寝息を立てる砂月。
いつからだろうか、
こいつに惹かれるようになったのは。
「なぁ、」
やっと絞り出した声は震えていて、
「さ、つき」
砂月は寝ているのに
「おねがい、おいてかないで」
鬱陶しいかもしれない。
気持ち悪いかもしれない。
「き、えな、いで…!」
ぽたぽた
涙がシーツを濡らした。
「おれ、おまえが、すき、なんだ、よ」
どうか消えないで。
側で皮肉を言っていていいから。
俺を嫌いでも良いから。
置いてかないでー…
砂月が笑ったような気がした。
でも涙は止まらなくて、
余計にシーツを濡らした。