二時リサイタル

□〜プロローグ〜
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【植村 花音の日記より抜粋】

4月12日水曜日(快晴)

今日は郊外の廃病院まで祖父と一緒に出掛けました。祖父は普段内科師として働いているのですが、今日はカノンのわがままで仕事を休んでもらい、一緒についてきてもらい
ました。

やっぱり、一人で廃病院に行くのは怖いもんね。

廃病院に行くまでに、何人かの影のない人達にすれ違ったことは祖父には内緒です。祖父はカノンが「影がない人をみた」と言っても信じてくれないからです。何でだろう。

あの人達はいい人なのに。
影がないだけで普通の人間と変わらないのに。

肝心の廃病院には誰もいませんでした。病室の机には、もう使われていないホコリまみれのカルテが積まれていました。
注射器もところどころに落ちていました。

5年前までは院長さんもまだお元気で、立派な病院だったけど…。
本当に残念。

あれ、そう言えば家に帰ってきてから祖父の姿を見ていない。また庭のお手入れをしているのかな。行ってみよう


【ここから先は乱雑に書かれていて読めない】





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