逆転裁判・御剣怜侍夢

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「ちがうもん!なるほどくんはわるくないもん!!」

ちいさなちいさな女の子は声を張り上げる
めそめそと泣いている男の子を必死にかばおうとして一生懸命声をあげる
しかし

「そんなわけないだろ!だってこいつが給食費盗むところを見たって、よしくんがいってるもん」
「僕見たもん!なるほどくんみたもん!」

クラスのだれもが疑った
そんな言い争いが続いていくうちに男の子はますます涙がとまらなかった 
「ぼ、ぼくじゃない!ぼくじゃないよ!!うぅ・・・」
「ちがうっていってるのになんでみんなそんなこというの!」
「じゃあ、なんで由香奈ちゃんはなんでかばうの?」
「なるほどくんがちがうっていってるよ!なんで信じてあげないの!?」
「だってよしくんがそういってるよ?」

―そうだよ
―はやくかえしなよ
―どろぼう
―もう友達やめようよ?

このころから不思議だった
なんで人は信じることをしないのだろう
ひそひそとはなしている声に嫌悪感をかくしきれなかった

「ねぇ・・・なるほどくん?もういいでしょ?かえしてあげなさい」

担任のその言葉を今でもおぼえてる
私は視界がかすんだ

ちがう・・ちがう・・・!!!
がむしゃらに否定したが信じてくれる人はだれもいない

でもちがった・・
あの子だけは・・・・

「異議あり!」
教室のみんなを静まりかえすほどの迫力だった
人差し指をつきさし、幼いながらもその堂々とした姿にだれもが驚愕したのだ

「なるほど、君が無実だというのなら泣くのをやめるんだ
そうでないと必死に君のことを守ってくれてる彼女に失礼だぞ」
そういうと私にそっと微笑みかけた
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