白と椿
□真っ白な世界
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「火影、あの子をどうするつもりですか」
切り取った青が差し込む薄暗い部屋で、ゲンマが火影と言われている老人に尋ねた
「何か分かったのか」
「ここ数日話してわかったのは、名前ぐらいですかね、故郷の事なども聞きましたが、音の住民だという確かな情報は無いですね」
「して、名は?」
「雪菜と、それだけですね。たい焼きが気に入ったみたいですよ」
眉を八の字にしてお手上げと笑った
「はっは、そうかそうか。あの娘と仲良くなったようじゃな」
「会話だけならね、なんとかやってけそうですよ。」
「そうか、大蛇丸の件で隠れ里があの様な状態になった今。あの子はコチラで保護するしかあるまい」
「ですが、腕の呪印から見るに、あの娘、危険かもしれませんよ?」
「死の呪印か、確かにあれを受けて生きてるだけでも不思議じゃな。回復力も常人じゃない、音の里を壊滅させた者達が、深手をおってまであの娘を消そうとしたのは、何かあるんじゃろう」
「何かですか」
「あの娘が正しい道を選んだら、守って、助けてあげなさい」
「そーですね、やるだけやってみますよ」
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