白と椿
□ワタシノナマエ
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「ライドウが、皆を説得してくれたの。」
−こんな事をして何になるんだ、同じ里の仲間なんだぞ−
その言葉を皆は聴こえないふりをしたけれど
すこしずつ小菊のそばにはライドウを通して友人が出来た
「ごめんなさい」
同じ場所に立たされて初めて気づいた、孤独
その孤独と共に戦場でしか生きる意味を見出せない雪菜は、ここで、生きる意味を、喜びを知った
だけどまた、戦場へもどらなくちゃいけない・・・。
「戦争がはじまったら、私はまた一人になるのね」
何かを悟ったような笑みを浮かべる
「私が居る、一人になんかさせない」
雪菜を後ろから抱きしめると、擦れた声で訴えた。
知らなければ、こんな気持ちにならなかった
「分かったよ・・・」
夢の通り、真っ黒の中に落ちてく・・・
夜空の星を点々とつないでいけば、顔岩の右から朝日が昇った
朝日の光がつま先から徐々に雪菜を照らすと、光が当った所から白い花咲いて雪菜は頭まで花に包まれる
「これは・・・?」
花の中から自分の手を見ても、両手いっぱい花が咲き乱れて散っていった・・・
その中からまた13歳の雪菜が現れると小菊の腕の中の少女を再度抱きしめた。
「呪印?」
手のひらを朝日へとすかせば、やはりいつもの様に呪印がはりついている
「雪菜」
「ごめん。魔法がとけちゃったみたい・・・」
(がっかり、した?ごめんなさい)
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