白と椿

□ワタシノナマエ
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「んっ・・・んーーーーーあーーー、雪菜?」


目を覚ますとゲンマ一人だけ雪菜の小さいベットで寝ていた。


眠い目をこすり時計を見ると、朝九時をまわっている


「はーーー。」

両手で目をふさぐと、昨日の夢の事を思い出した。


変な夢を見たんだ、恥ずかしい話なのだがたわわに実った柔らかいものを手にぎゅっと掴んだ、そう、雪菜の。

多分雪菜の。


ゆえに、ちょっとだけオブラートに包んで言えば、今日は俺の意識とは別に、朝から元気だ。



(ライドウ達と変な話をしすぎたかもしれない・・・。)



この6年いつだってこんな危機を乗り越えてきた、軽く体操をして、
トイレへ向かう途中、台所で雪菜の後姿を見つけた


「あ、ゲンマ。おはよう、朝ごはんできてるよ」


紅茶を飲みながら振り向こうとした瞬間


「あーちょっとまて!その前にトイレいってくるわ!なっ」


「?」


(変なの)


洋服の裾を膝上までのばして、ぐしゃぐしゃな髪のままトイレに入ったゲンマを不信に思ったが、なんだかその挙動不審な動きが面白くて、フッと笑みがこぼれる


ゲンマの顔が笑って見れるって、何て当たり前で大切な事なんだろ。

カップの中でくるくる回るレモンをながめて、雪菜に戻った事に、心なしか安堵する


私はまだくるくるとまわって、白いカップの中でぬくぬくとしてればいい、なんて


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