白と椿

□21g
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鷹が空を泳いでいる真下で、雪菜が独り、庭で冬を待つまだ青い椿の木を眺めていた


(私の後ろに居た人は椿の花みたいに首が落ちてたっけ)


数ヶ月が過ぎて、もうすぐ冬が来る。



(もう、春なんて見れそうもないね)



この花が咲いて、全て落ちる頃まで、私はここで生きてるんだろうか






人の肉を斬る感触を今でも鮮明に思い出せる、目が会った瞬間、殺さなくちゃいけないって思ってはただ作業のように…



(私に、何が出来るのかしら)


体は、安定しないまま子供と大人の堺を彷徨ってて。もう自分が誰だか分からない
椿と呼ばれることに嫌悪し、あの人の声がおぼろげで


(ちゃんと覚えていようって思ったんだけどな)



胸の痛みは、あなたとの思い出でいっぱいだった証拠。
いっそのこと自分の記憶さえ消そうと思ったことがある。死ぬときに独りなんて悲しいもの、私と貴方の記憶を頭に残したまま…ねぇそしたら、独りじゃないよね?



「椿、鉄の国から全ての里の首領格に招集がかかってる。緊急の会議だ」

「会議・・・。」

「霞が戦争を企ててる。」


蜜が眉間にシワを作って難しい顔をしていても


「じゃあパーティーの主役は私ね」と、のんきな事を言った君主に、「めかしこまないとな」なんて、気楽な返事を返す



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