白と椿

□プロローグ
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夏の終わりが近い、最後の祭りは賑わって、風が吹けば視界をくるくると、出店の赤い風車が一面に回った




知らなければ、幸せだったのかもしれない



こんな風に苦しい思いをしなくて済んだのかもしれない



切なくて


苦しくて


ただ手の中にあるガラス玉が、キリキリと悲鳴をあげるまで握り締めた


「    。」



声にならない声で、名前を呼んだ





どうか、聞えませんように





届きますように
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