白と椿

□陽のあたる場所
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三時を回った頃、バルコニーからギターの音が聞こえてくる

骨董屋で見つけた際に興味をしめし、その壊れかけの楽器を自分で治すと

さすが音の一族といった所か、よく一人で弾いている



「雪菜、ここに居たのか、風邪ひくぞ」


冬の風が雪菜の栗色の髪を撫でる


「ゲンマ」


顔をあげると、光を通した雪菜の目が琥珀色に輝く



「たい焼き買って来たぞ、お茶にしないか?」といつもの茶色い紙袋を見せると

ぱっと笑顔になる雪菜は

「カスタードがいい!」と、



そして、いつの間にかあんこからカスタードへと好みが変わった

「わぁーってるよ、ほら、早くお茶いれてこいよ」

「やった!お茶入れてくる!」





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