白と椿
□カミングアウト
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私はどんな顔をしてゲンマの名前を呼んだんだろう。
石を投げられ、木ノ葉襲撃に加担したなんて言われた私を
ゲンマは、ジッと眉間にシワを寄せたまま見ると、ニッと口の端をあげた
「ゲンマ・・・?」
「あんたら、何を根拠にそんな事言ってんだ?」
キャッチした石を地面に叩きつける
「おじさん、あんたは雪菜が里の誰かを殺す様な奴に見えるのか?」
「それは・・・」
「おばちゃんや皆も、誰より自分らが雪菜のこと一番知ってんじゃねぇのか?
敵に雪菜は悪い奴だって言われたら、はいそうですかって信じるのかよ」
「だけど現に、雪菜ちゃんは音の国からの孤児だっていうじゃないか・・・元からスパイだったって事もありえるだろ?」
「だったら何だって言うんだ、肩書きだけですぐ誰かを疑うのか?俺は、雪菜を信じる。」
「ゲッゲンマ君、君は騙されてるんじゃないか?」
八百屋のおじさんがゲンマに近づく。周りではそうだそうだと野次が飛んだ
そこには、ゲンマを覗く全ての人が雪菜の敵なんだ
「その子が居たら、また里を襲いに大蛇丸が来るよ!」
「知るか、おい雪菜、行くぞ」
「ゲンマ・・・」
ゲンマは乱暴に雪菜の腕を掴むと、ずんずんと歩いて雪菜はされるがまま、ゲンマの歩いていく方へと連れていかれ
ただ彼の忙しないかかとをながめるしかなかった。
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