白と椿
□かぐや姫は月に
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あの日から小菊ちゃんは、何をしてるのか、忙しくてろくに会えていない
疲れた顔をしていたし、無理してるんだろうな、大丈夫だろうか。
ゲンマもこの数日、あの付き人も含めてライドウ君とイワシさんと一緒に帰ってこない
「ゲンマに会いたいか?」
「銀・・・。」
真っ白な猫はいつものようにあくびをして窓の縁に座り、雪菜と外を眺めた
「もう長く居られないからない」
「・・・会いたいのは銀の方なんじゃないの?」
猫は言葉など分からないと言った様子で手をぺろぺろと舐める
「浮気してるかもなぁ」ニヤニヤ
「・・・・別に・・・恋人じゃないし・・・」ボソボソ
そして玄関の戸が乱暴に開く音がすると、バタバタ騒々しく廊下を走る音が聞こえて
ゲンマが帰ってきたんだ!嬉しくておかえりを言おうとする
「おかえ「ゲンマが!病院に運ばれた」
アオバ君の息の切れてる姿を見て、頭の中が真っ白になったのを覚えてる
「えっ?」
「雪菜ちゃん!病院へ!」
汗と涙でいっぱいで震えていた
それから焦って窓から飛び降りると、建物の上を自分の限界なんじゃないかという速さで移動した
アオバはそれを追ったが
「はやすぎ・・・だろ・・・ついてけねぇ」
それは下忍のものとは違う速さだ。「何者なんだ?」
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