白と椿
□火の意志
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「さて、お前の兄である霞がこの大国の脅威になっておる、中立国だとしても忍の国が霞の手に落ちるのを他人事にはできまい」
重い空気の中、まるで裁判にでもかけられてるようだ。ちらほらと野次や非難がとんでくる
「この様な小娘に私の国は力を貸さんぞ」
「力を貸しても、お前のとこの忍は盾にもならんだろうに」
「貴様の所も同じだろうが、現にお前の国は一度音隠れに潰されている」
口論がぶつかり罵声が飛ぶ中で、椿が伏せていた視線を上げれば…シンと静まり返った
「耳障りね、机上の空論ばかりを並べていても役にはたたない。そうじゃない?」
椿のピアスがそっと光る、口論をしていた者たちを椿がにらむと先ほどの勢いもなく俯いてしまった。
(なんて子だ…)
ゲンマが注目する
「椿姫よ、卓状の空論と言うが。何か良い案はあるのか」
ミフネが促す
「誰にも戦いに加わらないでほしい、我が里の頭数ではあなた方の命は守りきれない。」
「いい加減にしろこの小娘が!黙ってきいてれば調子にのりやがって、なめるのも大概にしろ!!・・・・っ!!ぐっ」
雷影が声を張り上げた瞬間、椿が雷影のあご先をつかんだ
「速さを誇る雷影様とあろう御方が、小娘の動きひとつ見切れませんか・・・?」
「貴様・・・。」
雷影のあごをピンとはねて、椿はミフネの方を向きなおした。
「霞の事、五大国、ましてや小国でさえ無事では済まない、先々代の音影の意思を次ごうとしているのであれば・・・」
「ほぉ、あの気が狂ったじじいか・・・」
「先々代は音隠れをただの殺し屋にするつもりは無かったのよ、力のある忍を育てたら小隊を作って五大国、小国を同時につぶすつもりだった」
「小隊でね、舐められたもんだ」
「だが小国なら不可能な話じゃないましてや音隠れ、勝算はあったんだろう」
「そう、もしその意思を継いでいるのなら必ず同時に襲ってくる、皆様は自国を守って頂きたい」
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