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□少ない休日(だらだらしましょう)
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隣で雑誌をペラペラと捲っているシュウの頭を撫でると彼女はくすぐったいよ、と首を少し引っ込めた。
今シュウと白竜は白竜の部屋におり、何をするでもなくただ静かに過ごしている。ゴッドエデンでフィフスセクターのシードとしてサッカーの訓練を毎日のように行っている二人に休日と言うものは珍しく、休める日には休む言うのがルールのように決まっている。そもそもゴッドエデンの中にはほとんど森しかないと言っても過言ではないため、出掛けることはしないのである。
白竜がちらりとシュウの手にしている雑誌に目をやる。それは普通女子は読まないような“どこのJリーグ選手がどんなことをした”だとか“今どこのチームが一位”だとかというサッカー雑誌である。シュウが女子向けの雑誌を読んでいたらそれはそれで変な感じがするのだろうな、とぼんやり考えていた。

「読みたいの?」

白竜がシュウの手もとにあった雑誌を見つめていたのを雑誌が読みたかったからだと勘違いしたのか、白竜の顔を覗くようにして問う。白竜は否定の言葉を口にしながら立ち上がろうとすると、シュウの手によって遮られた。

「どこいくの?」
「喉が渇いたから水を飲んでくるだけだ」

シュウはそっか、と安心したように微笑んで服の裾から手を離した。白竜は少し名残惜しいなとも思いながら棚からグラスを取り出し、蛇口の下に当て水道水を注ぐ。ゴッドエデンの水は地中でろ過された湧き水が大量に出てくるので、スポーツドリンクを作るにしても水道水を使っているのだ。白竜はくいっと一気飲みしてしまうと水道で軽くゆすいでから布巾で拭いて棚に戻した。

「お茶無いんだったら淹れたのに」

ただの水道水を飲んだ白竜を見てシュウはポットを指差して言った。白竜はいや良いんだ、と言ってからシュウのもとに戻りシュウの隣に腰かけた。再び暖かさが戻ってきた隣の彼の腕を胸に引き寄せ、彼を見つめる。目は口ほどにものを言うとはまさにこの事なのだろうか、まるで「かまって」と言う言葉がテレパシーで脳内に直接伝わってくるようだった。数秒視線を交わるとシュウはにっこりと笑い、白竜の薄い唇に自分の唇を当てた。白竜は手の甲で口を隠しそれを見た彼女はいい加減慣れなきゃ、とまたにっこりと笑った。白竜はどうもこの行為が恥ずかしく一向に慣れる気配がないのである。中学一年生と言う年齢を考えれば当たり前かもしれないが、白竜はそれに焦りつつもあった。シュウはゆっくり慣れていけば良いと言うのだが男の自分としては自分が彼女を引っ張っていける存在になりたい。接吻程度で恥ずかしいなどと感じていたらその先の行為へは進むことは出来ないであろう。ましてやシュウを引っ張っていくだなんて到底無理な話である。

「僕は、今のままの白竜が大好きだよ」

色々と思考を巡らせていたのがバレたのか彼女はいつもの笑顔で言った。白竜はそうか、とだけ呟いて彼女の髪の中に手をするりと通す。白竜はシュウの笑顔が好きだ。もう何ヵ月も見てない母親のような、毎日昇っては降りる太陽のような、暖かいシュウの笑顔が好きだ。髪の毛の間に入っていた手を更に後頭部へと回し空いている方の手を彼女の背中にゆっくりと回して、そのまま抱き寄せる。シュウの首筋に顔を埋めて短く息を吸うとぴくっと彼女の体が震えた。

「シュウの匂いがする……」
「もー白竜と大して変わんないでしょー」
「シュウの方が良い匂いがする」

すりすりと頭を擦り付けると彼女は白竜の髪の毛が鼻に入るーと、なんとも女子らしくない発言をした。

「白竜、大好きだよー」
「俺もだ」

白竜がシュウの首筋から顔を離し彼女を見つめると、目の前の彼女は目を閉じてん、と言った。白竜がまったく動かないのを感じると「白竜がしてみて」とまぁなんとも可愛らしく言われた。

「目、瞑っていてくれ……」
「おっけー」

綺麗に目を瞑る彼女の唇に自分の唇をゆっくりと近付けていった。

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まぁなんとも中途半端な終わり方ですね笑
白シュウ♀で甘々と言うことだったんですが、どうだったでしょうか汗
ご期待に添えていたら嬉しいです。
リクエストされたご本人様のみ持ち帰りOKです!
リクエストありがとうございました!


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