Novel
□君の世界を俺だけにして
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俺の親友であり、
俺の恋人でもある忍足謙也はよく笑う。
その金に染められた髪と相まって、
謙也の笑顔はキラキラしている。
まるで、太陽のようだと俺は思う。
謙也はその人懐っこい笑顔とお人好しな性格から、
人によく好かれている。
友情として
恋情として
とにかく愛されているのだ。
そんな人気者の謙也の一番近くに居るのは俺。
大事な親友だった謙也に対して、
いつしか親友以上の想いを抱くようになった。
片思いがつらくて、思い切って告白をした。
玉砕覚悟だった。
でも、謙也はそんな俺の想いを受け止めてくれた。
「俺も白石が好きや」
嬉しかった。
けど、その言葉は
「恋情」?
それとも
「友情」?
そんな考えが俺の胸をよぎったが、
ようやく手に入れた想い人。
俺のものになってくれた大好きな謙也。
手放したくなくて、
謙也を自分の腕の中に閉じ込めた。