黒子のバスケ

□気付けば触れてた
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風が、俺の頬をなでるのと同じように


隣に居たあいつの頬にも

少し湿った風が流れ




俺と同じように、目を細めた






バスケ帰りには、ちょうどいい風だが



隣に居たあいつが

寒そうに腕を摩ったのが見え(顔には出してねぇけど)



もしかすると、寒く感じるのかもしれねぇ








「大丈夫か、黒子?」





「はい
でも・・・練習の後の風は気持ちいいんですが、少し冷えますね
火神くんは、大丈夫ですか?」





「俺はちょうどいい
黒子は細ぇから、風があたりやすいんだろぉな」





「僕はいたって普通です
火神くんこそ、身体が大きくて風が当たりやすいでしょ」





「そうなのか?」





「はぁ・・・」







ため息をついた黒子だったが


次に吹いた風で、少し身震いをした








「おい、黒子
ちょっとこっち来い」





「なんですか?」








隣を歩いていた黒子を呼び




やっぱり、思っていた以上に細かった肩を抱き寄せると


風の吹く方から、黒子の身体を俺自身の身体で隠すように移動させ






若干後ろになった黒子の手を



先ほどまで、ポケットの中に手を突っ込んでいた片方へ押し込み

冷えていたその手を、自分の手と重ねてやると






歩調を合わせて俺は歩き出した








「か、火神くんっ?!///」








珍しく、慌てた声を出す黒子の方を見ると



なぜか顔を赤くさせ

感情をあまり表に出さない黒子が



俺の方を困ったような、恥ずかしそうにしながら見上げてきた(身長差のせいもあるが)





その姿が、どうしてか分からねぇが


心臓がギュッと掴まれたような





どうしようもなく、なんと言っていいか分からない感情に支配され





そのまま固まっていると









「あ、あのですね火神くん・・・
その、手・・・手///」





「手がどうかしたのかよ黒子?」





「いや、あのっ///」







言葉に詰まる黒子が新鮮で


わざと、ポケットの中にいれた

俺より数段小さな手を、今度は絡ませるように掴んでやると




口を魚のように開けたり閉めたり、もはや真っ赤になったまま

動かなくなった








「まぁ、俺の身体大きいらしいし?
黒子は小せぇから、今日だけ風除けになってやるよ」





「ぇ、あの・・・」





「バ、バスケに支障があったら困んだろ?//
仕方ねぇからそのままだ」





「は、はい//」





「「・・・///」」








無言になったいつもの帰り道



それでも なぜか・・・





手に感じるぬくもりが



いつもとは違うような、不思議な感覚を残したまま






俺は、微笑んでいた・・・――









―気付けば触れていた―









(どうして俺は、黒子を見たり触れたりすると
こんなにもドキドキすんだ?)





(最近、火神くんを見ていると
心臓が締め付けられるように痛いんです・・・)





((どうしてなんだ/どうしてなんでしょう?))









こんな質問を


とある部活の部長が聞かされたのは




また、別の話しである・・・









―――








なんじゃこれーっ?!!



な、大反省会☆






と言う名の、あとがきですwww







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