歌の世界

□告白
1ページ/2ページ


レコーディング室から聞こえた翔君の声

わたしがいたら邪魔な気がしてドアに耳を傾けた

『俺に惚れるなよ。火傷してもしらねーぞ』
『キミのハートにバーニングショット』

誰かの台詞でしょうか?
わたしは不思議になり耳をさらに傾けた

『愛が燃えてるぜ。お前の深い愛がな』

『情熱ダイナマイツ』

??翔くん何かの台詞の練習をしているのでしょう?

気になりそっとドアノブに手を掛けると叫び声
『って、あぁもうっ。俺ってセンスねーーー』


『つーか。そもそもこういうのはガラじゃねーんだよ』

わたしはそっとレコーディング室に入る

「お前のことすげー好き」

えぇ!?
翔くんはわたしに気付かず少し恥ずかしそうに俯きながら納得した顔をして呟いた

「うん。やっぱこれだよな。これ!」

翔くんが顔をあげると目が合う


「うわぁっ!?えええっ!・・・・・・おま・・・・・・いつからそこに・・・・・・?」

翔くんはかなり驚いて跳びはねた

「えっと、あの、台詞の練習してたんですか?」

「え・・・・・・あ、そ、そう、うん、台詞の練習してて、だから、その・・・・・・」
息継ぎをしながら吃る翔くん
すぐに真面目な顔になってわたしに告げた

「俺、お前のこと好きだから!」
え?わたしの頭がフリーズ寸前になった

何かの練習でしょうか?と聞こうと思ったけど翔くんに言葉を消された

「よし、言った!今のは練習じゃねーからな。」

言い切った顔をしてわたしに笑顔を向けた


「翔くん、あの、その・・・・・・」

「俺、パートナーとしても一人の女としてもお前を好きだから!」
真っ赤な顔の翔くんにわたしの顔に熱さが増す

「わたしも、翔くんが好きです!パートナーとして男の人として」
にこっと翔くんに向けると私を抱き寄せた

「サンキュー!春歌!」
良かったぁーと安泰の息をつく翔くんをちょっぴり可愛いと思ってしまったのは翔くんには秘密です

おわり
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ