歌の世界

□恋花火
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パチパチと火花がボクと彼女の足元近くで鳴り彼女は笑顔でそれを見ている。
場所はシャイニー事務所の前。
メンバーはSTARISHとボクとレイジ、リンゴとリュウヤに僕のパートナーであるハルカ。
まぁ、敷地が広いだけあって皆結構離れている。
レイジなんてお得意のマラカスを片手に花火をやっている…なんか馬鹿馬鹿しい光景だよね。
リンゴとリュウヤは花火はやらず、近くに運んだ椅子に腰を掛けてお互い仕事をしたり見張ったりしてる。
まぁ、二人は保護者って感じだね。
まぁ、唯一成人してるのがレイジってあり得ないし、心配だったらしいね。
オトヤとショウ、セシル、ナツキは楽しそうに笑いながら手持ち花火を立ったまましている。
マサトとトキヤとレンは線香花火をしゃがみながらやっている。
で、ボクたちは階段に座りながら線香花火。
どちらが長く持つか、っていう彼女らしい勝負。
ポトッ…
「あ…」
ボクのが先に落ちた。
「やりました!藍くん!私の方が長かったです♪」
ニコニコ笑うハルカは可愛らしく、ボクは笑った。
「ん、ハルカの勝ちだね」
「ふふ…花火なんて久しぶりにやりました…。でも…」
懐かしく微笑む彼女は周りを見回し、笑うと言葉を繋げる。
「こんな賑やかな花火は初めてです!それに隣には藍くんがいて、私は幸せです」
ニコッとボクに向ける笑顔は照れと嬉しさが混ざる少し頬が赤い笑顔。
「ボクは花火なんて初めてやった。データには入っていたけどどういうものなのか、っていうのは知らなかったから今日シャイニー主催で花火大会を開いてくれて良かったって思ってる。それに…ハルカがいるからボクは楽しいって思える」
いきなり2時間前に言われたんだ、シャイニーからね。
『今年は大きな花火大会が中止になったりしたんでミーはつまりませーん!なーので!ミー主催!アイドル達と花火を楽しんでくーださい!強制ではないので帰りたい人は帰っていいでーす!』
珍しく強制しない主催モノに、ランマルとカミュは帰る。
『花火なんかやっても腹は膨れねぇ!』
『俺は明日早いからな、まぁ興味もないが』
といって不参加。
まぁ、二人がやっても違和感あるからね。
それにアイドルのボクは人混みを避けながらハルカとデートをしているからなかなか花火大会なんて行けないからね。
「…今度は皆でBBQなんて良いですね」
「ランマルが絶対参加する内容だね」
「あと、冷たいものもあったら最高です!」
「カミュも釣れるね」
ハルカって何気に周りを見てるし人を知っている。
ボクにもいい経験になるけどね。
無駄なエネルギーを使う訳じゃないけど。
ハルカは楽しいなら良いかな。
ハルカが笑ってボクの隣にいればそれでボクは“シアワセ”だからね。

「ハルカ」
「はい?」
「花火、今度は二人でやろうね」
「はい!」
ニコッと花が咲くような笑顔を見せ喜ぶ。

「約束だよ」
ボクはそういうとハルカの唇を奪う。
こんな日も悪くないね。

終り
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