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□結局のところ同じことなのです
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ブラブラと当てもなく町を徘徊する。周りは相も変わらず賑やかだった。

(あぁ…なんか……)

至極、疲れた。
嫉妬だなんて、こんな二十も半ば過ぎた大の大人の男が何をやっているのやら。

自嘲するように口元を歪める。

「旦那じゃねぇですかィ」

聞き覚えのある声に顔を上げれば、亜麻色の髪がさらりと流れた。隣にはやはり、この亜麻色といつもいる黒色の男。口から紫煙が吐き出された。

「総一郎くんに多串くんじゃないの、やっほー」

「多串じゃねぇ、土方だ!!」

「総悟でさァ、旦那」

「なぁに?見回り?ケーサツも大変だねぇ」

名前の訂正をこれまた見事にスルーした銀時に、沖田は苦笑を浮かべ、土方は青筋を立てた。

しかし、すぐに銀時の異変に気付く。いつもの気怠げな雰囲気は変わらないが、どこか疲れているように見えた。

「旦那、なんかあったんですかィ?」

「え?なんで?」

「なんか、疲れてるみたいですぜィ」

首を傾げながら聞いてくる沖田に銀時はへらりと笑う。

「んー、何でもないよ」

そういって誤魔化す銀時に土方は知らず知らずのうちに眉を顰める。
沖田もやはり銀時らしかぬ雰囲気を心配してか、わざと明るい声で言葉を紡ぐ。

「旦那、ちょいとそこの茶屋で団子でも如何ですかィ?奢りやすぜ、土方さんが」

「なに勝手に決めてんだ!!総悟ぉおお!!」

そう言いながらも否定しないのは、やはり銀時を気遣ってか。それ以上、何も言わない土方に銀時は苦笑を零す。

(こりゃあ、完全に気ぃ遣わせちまってるな…)

こんなにも気遣ってくれているのに、断るのも忍びない。ここは、お言葉に甘えさせてもらおうかと、了承の返事を返そうとした時。


「銀時」


名を呼ばれ、腕をぐいっと引っ張られる。視界の端に金色の蝶が舞った。

「え…?ぁ……たか、杉…?」

「『高杉』っ…!!?」

突然の宿敵の登場に土方と沖田は動揺を隠せない。

しかし、そんな二人の動揺も今の銀時には届かない。

何故、ここにこの男がいるのか。何故、そんなにも不機嫌そうなのか。

疑問ばかりが銀時を襲う、が高杉はそんな銀時の様子にも苛立つようで舌打ちをひとつ打つ。

「行くぞ」

ぎゅっと握らた手首は熱くて、頭が状況に追いつかなくとも、しっかりと銀時は地面を踏みしめる。

すっと自然と人混みに紛れ、消えていく二人の背中を土方と沖田は呆然と見るしかなかった。






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