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□砕けた日常
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現代
「万事屋、お前が白夜叉だな」
かけがえのない日常に終わりを告げる台詞。
あぁ、どうしてこうなってしまったのだろう
銀時は目の前に座る真選組の三人と、自分の両隣に座る子ども達二人の不安げな目線を感じながら考える。
朝はいつも通りだった。
新八が朝起こしに来て、神楽と朝食の卵焼きの取り合いをして、定春が頭に噛みついてきて。
いつもと変わらない暖かな日常。
幼い頃から憧れ続けてきた幸せな光景。
なのに、そんな日常も突然訪ねてきた真選組によって壊されてしまった。
訪ねてきた時、嫌な予感はしていた。そういえば、幼なじみの一人である何かと五月蝿いあの男は昔『貴様の予感は、よく当たる』などと言っていたっけ。
その時はそんな馬鹿なこと、と笑ったがあながち間違いではなかったようだ。
そんなことを考えていれば土方が口を開く。
「沈黙は肯定と受けとるぜ?」
「…………」
何も言わない銀時に土方は舌打ちをする。
「まさか、桂や高杉と並ぶ大物がこんな近くにいたとはなぁ。……さぞかし、俺たちを嘲笑ってたんだろうな?」
ハッと自嘲気味に笑う土方に新八と神楽が反論する。
「土方さんアンタ何てこと言うんですか!?」
「お前ら銀ちゃんにいっぱい助けてもらったろうが!!それに、銀ちゃんはもう白夜叉なんかじゃないネ!!」
「新八…神楽……」
銀時は胸が嬉しさで熱くなる。
この二人が家族でよかった。
「今は違うとか関係ないんでィ」
その時、今まで黙っていた沖田が話し出す。
「戦争に出てたってことは、攘夷思想があったってことだろィ?今はもうそんなこと考えてなくても、僅かでも可能性があるんならしょっぴくのが筋なんでィ」
「分かってくれ新八くん、チャイナさん」
眉根を寄せながら頼む近藤。
「だからって、そんなこと…!!」
尚も反論する新八に土方はしびれを切らす。
「そいつを庇うってんなら、テメーらも同罪だ。一緒に来てもらおうか」
そう言いながら刀に手をかける。土方のその行動に銀時は危機感を覚え、先に木刀で攻撃を仕掛けた。
「ぐあっ!!」
いきなりの攻撃に対応できなかった土方は、壁に背中をぶつける。
「トシ!!」
近藤が叫ぶ。その横を沖田は素早く刀を抜き銀時に斬りかかった。しかし、銀時はそれをいとも簡単にかわし、木刀の柄の部分で沖田の頭に一撃を入れる。
「っ!!」
頭がぐらつくのか沖田は膝をつく。銀時はそれを見逃さず、すぐさま木刀でもう一発攻撃をする。
「ぐはっ!!」
「止めろっ!!」
近藤も刀を抜き応戦するが、銀時との力の差は歴然。真選組はただ銀時の攻撃を受けることしか出来なかった。
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